昨年8月にアフリカのタンザニアに行ってきました。1998年に一度行っていますので二度目のタンザニアです。前回はキリマンジャロ山の麓のルカニ村でのホームステイが中心でしたが、今回はブギリ村でのホームスティが中心の旅でした。今回のタンザニア行きを決意したのは、ブギリ村に行けるということでした。アフリカの強烈な太鼓のリズムとそのリズムに合わせた激しい踊りのバガモヨダンスを、現地で直接見て、聞いて、感じるままに即興で絵にすることができないだろうかと考えていた私にとって、演奏家集団チビテのコンサートメンバーの故郷の村であるブギリ村にホームステイできることは、まさに願ってもない大きなチャンスでした。 タンザニアの首都ダルエスサラームからツアーのメンバーはそれぞれの目的地に向けて分かれて出発します。ブギリ村へ行くメンバーは私を含めて4名だけでした。それも今迄一度もブギリ村へ行く希望者がなく、今回がはじめての訪問でした。迎えの車がアフリカの大地を何時間も延々と走ります。どこまでも続く緑の大草原と青い空、それがすべての世界です。途中で車が故障したので、村の入り口に着いた時はすでに日も暮れて真暗でした。その入り口から村まで約30分かけて歩かなければなりませんでした。4人とも疲れ果てて、トボトボ歩いていました。やっと村が近くなった時、私たちの耳にかすかに聞こえてきたのはタイコの音でした。何人もの人たちが打ち鳴らす激しいタイコの音が次第にはっきりと聞こえてくるのでした。ブギリ村がはじめて迎える観光客への喜びの歓迎のタイコでした。そのタイコの音は、私の心におそらく生涯消えることのない感動を与えてくれました。感動のリズムは疲れも忘れさせて、村へと導いてくれたのです。電気すらない村では、村中の人達が月明かりの下でタイコを打ち鳴らし、踊りながら声をそろえて私達を迎えてくれました。おそらく二度と体験することはないであろう、夢のような、村の人達との出会いでした。 
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翌日、私達4人のために、演奏家集団チビテのメンバー2人も入って、村の演奏家達によるコンサートが、旅行会社との契約内容を無視して一日中延々と続きました。村長も自慢の酒蔵を開放して、村をあげてのお祭りとなったのです。私はその感動を逃がすまいと、何枚も何枚も、リズムに合わせて、体を躍らせながら描き続けました。 |