明峰加賀白山への古道の入口、白山中居神社から林道を約7km石徹白川の最源流へと細い道を進むと、林道が終り白山への登山道が始まる。大きさのそろった玉石をていねいに並べた石段をゆっくりと登っていくと約10分程で大杉の前に出る。大杉の周囲にはまだ豊かな残雪があった。ズングリとした木のように見えたが近づいて見ると、その巨大さに圧倒された。太い。実に太い樹だ。昼過ぎの太陽を浴びて、噴き昇る白い炎のような白い幹・・・。 樹齢1800年という石徹白の大杉は、おおいかぶさるような樹冠はなく、緑の枝葉もほとんどない。巨大な幹のほとんどがすでに枯死し、わずかに生きる細い樹皮に、パラパラと緑の枝葉が認められ、この巨樹がまだかろうじて生きているのだと理解できる。真上からの太陽の光をさえぎる枝葉がないので、白骨化した幹、白骨化した枝が白い炎のようにも、マンモスの白い牙のようにも見えて、すごみのある1800年を生き抜いた巨樹の壮絶な姿をいやおうなく見せつけられる。霊峰白山の守護神のような神々しさを感じた。石徹白の大杉の1800年の命が尽きる日は近いのかもしれないが、願わくば100年も200年も1000年も生き抜いて、その雄大な姿を残してほしいと願わずにはおれなかった。 
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