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■展示風景
第10回 絵画と木工 二人展
第9回 絵画と木工 二人展
阿波連 永子
世界の旅
感動の一瞬をスケッチ

第8回 絵画と木工 二人展
絵陶木三人展
阿波連 永子
『1才の孫達と100才の父』
スケッチ展

阿波連 永子(絵画)
渡辺 徹夫(木工)二人展

阿波連 永子 絵画展
同時展示渡辺徹夫木工作品

第7回 絵画と木工 二人展
第6回 絵画と木工 二人展
第5回 絵画と木工 二人展
「木の匠染めの匠展」
第4回 絵画と木工二人展
第3回 絵画と木工 二人展
2006年 永源寺ものづくり展
絵画と木工 二人展
永源寺ものづくり展
オープン記念展示会


■阿波連永子略歴

 沖縄から大阪へ
 浦添市美術館
 滋賀県立美術館
 ニューヨーク
 ドイツ・オーストリア・スイス
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 アフリカ タンザニア
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 東北夏まつりの旅
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 ふるさと沖縄
 思い出のニューヨーク

■渡辺徹夫略歴
 椰子の木
 檪野寺のイチイ
 レインスティック
 積木
 栃の万能テーブル
 島屋展を終えて
 「旅立ちの日」連作から

■巨樹探訪の旅
 『縄文杉』
 『青森県のイチョウ』
 『石徹白の大杉』
 『夜叉ヶ池』
 『ふるさとのブナの森』

 


■ギャラリー案内図

○栃の万能テーブル

 若い美人の娘さんの注文は、長さ2メートル以上、巾1メートル以上で栃の木の一枚板を使って座敷机にも、作業机にも、食卓テーブルにも使えるように高さは30センチで、シンプルで白木仕上げのテーブルを15万円で作ってほしい。という内容だった。
 材料だけで15万円かかりますよ、と私は答えた。が結局なんとかしましょうと引き受けてしまう結果となった。
 材料代をタダにしないと手間代が出ないので、いつも行く銘木店に電話で訳を話し、タダの材料をさがしてほしいとたのんだ。
 数日してタダの材料が見つかったので見にこいという返事がきた。私は半信半疑で出かけた。行ってみると広い倉庫の片隅に厚いホコリをかぶった板材の山が置かれていた。数十年前に樵が手挽きで板にした栃の木の床板だということだった。寸法は多少大小はあったが、大きいものは長さ2.2メートル、巾1.2メートルあった。今回のテーブルに十分使える寸法だった。一枚一枚確認していったが、途中でまだ床板としてつかえるとして二枚抜きとられて結局13枚残った。ところで金額だが全部で13枚、1枚1万円として13枚で10万円でどうかという。すなわち3枚はタダというわけである。樵さんが床板として手挽きした板だから、材質や木の模様は文句のつけようがなかった。ただ床板にならなかった程度に、わずかなソリや割れ、ふし穴や虫食い穴があったのである。そうした欠点を考慮に入れても、十分一枚板として使えるし、小さく切断して部品や小物にすれば、とても良いものが作れるので、私は10万円を払って、13枚の板を持ち帰った。
 その中の一番大きい板を使ってテーブルを作った。できるかぎり表面は平らにしたが、一部分どうしても小さなへこみが残り、木口や側面の板の厚味は一定にならなかった。それでも娘さんにはとてもよろこんでもらえた。納めてから何年にもなるが、毎年年賀状でテーブルの様子を報告してくださり、地方の名物を送ってくださったこともあった。
 けっしてもうかりはしなかったが、私の思い出の作品の一つとなった。

 

 




 


■ギャラリー アカショウビン
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